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HOME > コラム(院内だより) >  VOL.19 痛み止めと胃薬

食べ物は口から食道を通り、胃に達します。ここでまず、ペプシンという消化酵素で蛋白質が分解されます。ところで、韓国料理の代表焼き肉では牛のいろいろなところが食材として使われます。特に臓物では、心臓(ハツ)、肝臓(レバー)、横隔膜(ハラミ)、腸(ホルモン)、胃(ミノ)などです。(さらにフランス料理では腎臓や胸腺まで食べてしまいますが。)

さて、どうして牛の胃を食べると人の胃はそれを消化できるのに自分の胃自身は消化してしまわないのでしょう・・・?

サイクロオキシゲネイス(cyclooxgenase)という物質があります。この物質が胃の消化酵素から胃粘膜の細胞を保護するとともに胃粘膜の血流を増加させています。そのため、自身の消化酵素で胃が消化されない仕組みになっているのです。

話は変わりますが、炎症がおきているところではプロスタグランディンという物質が産生されており、それを生成させるのが前出のサイクロオキシゲネイスなのです。

炎症(多くの場合痛みを伴います)を抑えるために消炎鎮痛剤(痛み止め)を服用すると、炎症の場のサイクロオキシゲネイスが抑えられてプロスタグランディンの産生が減り炎症がおさまります。しかし、一方で胃粘膜の表面を保護すべき立場のサイクロオキシゲネイスも抑えられますので、当然、胃粘膜保護作用が弱められるという事態に陥ります。そこで、胃の表面を保護すべき胃薬が登場するわけです。消炎鎮痛剤を処方する時に必ず胃薬も処方する理由は、単に”薬が強いから”とか”薬が弱いから”といった理由からではありません。

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