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HOME > コラム(院内だより) >  VOL.17 シンプルで無責任な情報

ある雑誌で、生活習慣病や他の病気についての最大の情報源となっているのはテレビ・ラジオであるとの指摘がありました。同じような情報を医療機関が提供しているのにもかかわらず、テレビ・ラジオなどのメディアから発せられる情報は、あまりに一般的過ぎて個別的でなかったり、疾患の比率として小さいのにあたかも蔓延しているかのように語られて、すぐに生活に取り入れられる傾向にあります。

これは情報発信側の姿勢にあるのではないでしょうか。メディア側はこれにはこれしかない、と完全に言い切ってしまうことが少なくありません。したがって、情報を受け止める側から見ると、単純に割り切ってしまう情報のほうが耳ざわりがよく、記憶に残りやすいのではないでしょうか。−シンプルで無責任な情報ーこれこそが残念なことに最も説得力のある情報なのです。

「先生、私、左肩が痛むんです。テレビで左肩が痛んだら肝臓が悪いんだと言っていました。肝機能をぜひ調べて下さい。」「水を一杯でも飲むと血がきれいになるそうなので、毎日たくさん飲んでいます。ところで先生、最近、夜間のトイレの回数が多いのですが、ひょっとして腎臓や膀胱がおかしいのでしょうか?」等々・・・。シンプルで無責任な情報に振り回される患者さんは次のようなことを心に銘記すべきです。
「ブラウン管の向こうの司会者は、確かにあなたのほうを向いてしゃべっているけど、あなただけを対象にしてしゃべっているわけではないのですよ。」と。(メディカル朝日 2003・1月号より)

そういえば、当院にもいました。「先生、夜寝ていると肩が痛いんですけど。ぶつけたりとかそういうのはないんだけどー。」私はいろいろ診療して急性の肩の周辺の炎症という説明をしてから「それではシップを出しますから、特に夜、痛いときに貼りましょう。」その答えは、「あるある大事典で夜はシップしちゃダメって言ってたんですけどー。」以後の会話は途切れました。

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