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世界中で日本人ほど湿布好きの人はいません。というよりも、大人から子供まで湿布を知っている国民はおそらく日本人だけでしょう。
外来診察中によく患者様方より受ける質問に「湿布は冷たい方がいいのでしょうか?温かい方がいいのでしょうか?」というものがあります。職業柄この質問に遭遇しない日は全くと言っていいほどありません。ここでまず、簡潔に言えば”急性期は冷やす。慢性期は温める。”これが痛みに対する基本です。それでは、”急性期は冷たい湿布を。慢性期は温かい湿布を。”かというと否です。
そもそも、”冷たい湿布”には冷やす作用はありません。もし、冷やす作用があるならば、出かけた先でビールに湿布を巻いておけば、いつでもどこでも”キーン”としみいるビールを飲めるわけです。
実は、日本人の好み―貼った時にヒヤッとする感触―に合わせてシップメーカーが湿布を貼る面に水分を含ませているにすぎないのです。
湿布は、言葉を換えれば飲み薬といっしょで消炎鎮痛剤なのです。そうは言っても、寒い時に冷たい湿布を貼ることは精神的にも苦痛です。ですから、寒い時にはあたためてから貼ると良いでしょう。
ちなみに、温シップは多くの場合、唐辛子の成分が含まれており、これが貼ってからじわじわと温感をかもし出しています。
最後に、消炎鎮痛剤は薬です。”剤”という字は、薬を意味します。薬を扱うことができるのは、医師と薬剤師のみです。ですから、医療機関や正しく薬局で処方される湿布は薬としての消炎鎮痛剤が含まれていますが、それ以外で扱われている(スーパーマーケット、接骨など)いわゆる湿布は、全く薬成分が含まれていない、ただ冷たい感じがするものというのが現実です。
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